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正しく理解しよう!アスベストを含む建材の適切なリフォーム

2021.10.03
リフォーム工事を行う際には、アスベスト(石綿)を含む建材の取り扱いに注意しなければなりません。
築年数の古い建物ではアスベスト建材が使用されているケースがあり、それを知らずに不用意に工事を行ってしまうと、作業員ばかりでなく建物の居住者にも深刻な健康被害を引き起こす恐れがあります。
また、令和3年(2021年)4月から施行された「大気汚染防止法の一部を改正する法律」により、全てのアスベスト含有建材への規制が強化される様になりました。
したがってこれからリフォームを行おうと考えている方は、アスベストに関する正しい知識を身に付けておくことが必要です。
アスベスト建材を無理して撤去しなくても、リフォームすることは十分に可能です。

そこで本記事では、安心してリフォームを行うためのアスベストに関する必要な知識をご紹介したいと思います。

アスベストとは?

アスベストとは「石綿(せきめん、いしわた)」と呼ばれる天然の鉱石のことです。熱に強くて非常に安価なため、1955年頃から2005年までの間に、火災予防を目的としてアスベストを含む建材が建物の様々な箇所に使用されてきました。
鉄骨造建築物の耐火被覆材が最も代表的なものですが、一般の戸建住宅では
屋根用化粧スレート(カラーベスト)
窯業系サイディング
ロックウール吸音天井板
石綿含有断熱材
などがあります。
また塗装業界においては、塗料にもアスベストが含まれていたといわれています。
この様にアスベストは、各方面から非常にもてはやされたものでした。

ところがアスベストの粉塵を人が吸引すると、10年から数十年後には肺がんや悪性中皮腫などを発症するリスクが高いことがわかり、徐々に使用が禁止される様になりました。
そして平成18年(2006年)9月には0.1重量%を超えるアスベスト含有製品の製造、使用は禁止されています。
したがって近年(2006年9月以降)に建築された建物には人体に有害なアスベストは使用されていませんが、それ以前に建築された建物の一部にはアスベスト含有建材が使用されている可能性があります。

ただし一般的な木造住宅に使用されている板状に固めた化粧スレートや窯業系サイディング、天井ボード類などのアスベスト含有建材や、天井裏・壁の内部にある石綿含有断熱材からは、通常の使用状態では有害な繊維が飛散する可能性は低いと考えられています。
そのため老朽化による劣化がそんなに進行していない状態であれば、それほど気にする必要はありません。

しかしリフォームでそれらの撤去作業を行う際には、雑に扱うと粉塵が周囲に飛散してしまう恐れがあります。
したがって作業部周辺への散水・湿潤化や、アスベスト含有建材の撤去後の密閉保管、やむを得ず切断・破砕等を行う場合には湿潤化に加えて養生を行うなどといった適切な除去作業を行わなければならないことになっています。

アスベスト使用の有無の見分け方

法改正に伴い、解体工事やリフォーム工事を行う前には工事規模の大小に関わらず全ての工事に対して、工事を請け負う業者には設計図書や目視によるアスベスト調査が義務付けられるようになりました。
調査結果は現場に開示すると共に、3年間の保管が義務付けられています。
そして事前調査を怠った場合には罰則規定があり、実際に処分を受けている業者もいる様です。

アスベスト調査の方法は次の様になります。
工事着工前には「目視」により建材が設計図書などと整合しているかどうかをチェックして使用されている建材を特定し、メーカーに成分情報等を確認することで石綿使用の有無をチェックしなければなりません。
また設計図書がない場合には目視確認のみで良いことになっていますが、天井や壁の内部など目視確認ができない場合であっても、確認が可能になった際には調査を行うことになっています。
そして必要に応じて、現場で採取したサンプルを元に専門機関にアスベストの分析調査を依頼します。

一方、平成18年(2006年)9月以降に着工した住宅の場合にはすでにアスベストの使用が禁止されていたため、建築確認申請書などで着工日の確認を行うことで事前調査とすることができます。

今後は事前調査結果の都道府県等への報告義務(2022年4月~)や、調査を行う者の資格(2023年10月~)などの規制が一層強化される予定です。

リフォーム時のアスベスト対策と除去費用の目安

リフォーム工事では元の建物の一部または大部分を一度取り壊すことになるので、その部分にアスベストが含まれていると周囲に飛散させてしまうことにもなりかねません。
そのため事前にアスベスト使用の有無を調査し、アスベスト建材の除去作業では細心の注意が必要になります。
一般的な住宅におけるリフォーム時のアスベスト対策と除去費用の目安は次の様になります。

・アスベストを含有した屋根材(カラーベスト、スレート瓦)の撤去
事前に屋根を洗浄して、水や薬液で屋根材を湿らせながら飛散が生じない様に丁寧に手作業で屋根材を撤去します。
撤去した屋根材は密閉性の高い袋や容器に梱包して、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して処分します。
屋根材はレベル1やレベル2よりも危険度や飛散性が低いレベル3として分類されているので、撤去費用は30坪の2階建住宅で20万円程度(足場代別途)と比較的安価になります。

・アスベストを含有した外壁サイディングの撤去
屋根材の場合と同様に、外壁を湿らせながら手作業で丁寧にサイディングを取り外していきます。
撤去費用は30坪の2階建住宅の場合で30~40万円程度(足場代別途)です。
屋根よりも撤去する面積が増えるので、少し費用が割高になります。
尚、サイディングも屋根材と同様にレベル3に該当します。

・アスベストを含有した天井板や石膏ボードの撤去
アスベスト含有の天井材やボード類もレベル3に該当します。
基本的には屋根材やサイディング材と同様に噴霧器などを使って湿潤化を行いながら、手作業で丁寧に取り外しを行います。
破砕しない方法で撤去することが大切で、作業者は保護具を着用し、防塵シートなどを使用して作業箇所に覆いをします。

・鉄骨の柱や梁に吹き付けられているアスベスト含有吹き付け材
鉄骨造建築物の耐火被覆材は最も飛散性が高いため危険度が高く、レベル1として分類されています。
そのため除去費用は建物全体で数百万円になることもあり、作業条件や除去面積、除去部分の形状によって費用が大きく異なります。

アスベストは熱に強くて防火性に優れているという特徴を持っています。
飛散する恐れがなければ、無理に撤去する必要もありません。
天井や壁にアスベスト建材が使用されている場合には、塗装や上貼りしてしまう方法もあります。
既存の屋根材の上に重ね葺きする工法などはその代表的な事例といえます。
予算に応じて最適な工法を選択することが大切です。

まとめ

建築物の改修・リフォーム工事を行う際には、法令に基づきアスベスト含有建材の有無の事前調査、工事開始前の労働基準監督署への届出、アスベストばく露防止措置などを行う必要があり、今後はさらに規制が強化されることが決まっています。
これは石綿含有成形板等の不適切な除去により、アスベストが飛散した事例が過去に多く見られたため、規制が強化されたためです。
しかし一般的な木造戸建住宅に使用されているアスベスト含有建材は、危険度がそれほど高くはないので、過度に心配する必要はありません。
アスベストに関する正しい知識を身に付けて、悪質な業者に騙されることがない様にして欲しいと思います。
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